大会長挨拶

片倉 朗
東京歯科大学口腔病態外科学講座 教授

第21回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第4回国際口腔ケア学会総会・学術大会 合同会議を東京歯科大学 口腔病態外科学講座ならびにオーラルメディシン・病院歯科学講座で主催させて頂くことになりました。私は大会長の片倉 朗です。
 本学会の長年の啓発活動により、医療者はもちろん一般の方にも「口腔ケア」という言葉と概念は認知されるようになりました。本学会は医療・介護の中で口腔の衛生と機能の管理を多職種連携により普及させることで、健康増進・健康長寿ならびに療養中の合併症予防を推進し、その結果が医療経済にも良い効果をもたらすこと目標にしています。
 たとえば都心の高層マンション、たとえば郊外の住宅地域、また山間部などの医療へき地、さらには病院や介護施設など、様々な場所で口腔ケアは行われています。患者さんへのアプローチやケアへのかかわり方・方法・目的は地域の状況や実施する職種によって異なっているはずです。今回の学会テーマは、「地域にマッチした口腔ケアの普及のために」です。口腔ケアは様々な人が連携して地域や患者さんの状況に応じた方法で展開されています。本大会ではそれらに注目して口腔ケアの地域や患者さんの環境、また職種によっての関わり方の違いなどを参加者の皆さんで共有して頂き、自分のフィールドでの新しい取り組み方を考えるきっかけを作る機会にしたいと思います。
オープニングセレモニーは、昨年の本学会での東京宣言をさらに進めて、「口腔ケアは病院での疾病療養で必須」をアウトカムにトーク・ショーから始めます。特別講演は東京歯科大学学長 一戸達也 教授に「地域におけるこれからの歯科医療提供体制に関する一考察」、教育講演は一橋大学国際・公共政策大学院 井伊雅子 教授に「医療の質をどう測るか」について講演をいただきます。また、第4回国際口腔ケア学会総会・学術大会の特別講演は大阪大学歯学部顎口腔機能治療学講座 阪井丘芳 教授に「MA-T™を用いた未来型口腔ケアの社会実装」について画期的な研究成果を講演いただきます。
口腔ケア推進のキーワードは多職種連携であり、どの職種の方にも参加して良かったと感じていただける企画と運営を目指しています。
さあ、まずこのホームページから学会のプロモーションビデオを見てください。きっと一ツ橋講堂に行こうと思わずにはいられなくなるはずです。

2023年11月25日